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    桐野夏生『グロテスク』を読む

    2006.11.20 Monday

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      以前、桐野夏生を集中的に読んでいた時期があります。

      私は一人の作家の作品を好きになると、
      その人の作品ばかり続けて読む傾向があります。

      宮部みゆきの作品は、ある時期のものまで全部揃えていたし、
      林真理子と群ようこに凝っていた時期もあります。
      篠田節子や山本文緒ばかり読んでいたときもありました。

      学生時代は、前に記事にした小川洋子のほか、
      干刈あがた・増田みずこ・松浦理英子・松本侑子
      の本をコレクションしていました。

      海外モノでは、クリスティやパトリシア・コーンウエルに
      はまっていた時期もあります。

      そういう風に、熱に浮かされたように一人の作家の作品ばかりを読み、
      何かのきっかけでその熱が冷め、
      そのまままったく興味を持たなくなるか、
      新作が出ると蔵書に加える「お気に入りの作家」になるか、
      のどちらかなのですが、
      桐野夏生は私にとって、そのどちらにも入らない
      微妙な位置にいる作家です。

      『水の眠り灰の夢』ではじまる、
      女版ハードボイルド小説とでもいうべき「村野ミロ」シリーズは、
      最初は主人公に感情移入してドキドキしながら
      読みすすんでいたのですが、
      『ダーク』まで行くと、
      そのあまりにもディープで暗澹とした世界に、
      「ちょっとついていけない」感を抱いてしまいました。

      『柔らかな頬』や『OUT』は、
      ものすごく面白かったのだけれど、
      読後に残るあと味の悪さというか、
      重苦しい感じがあり、
      「もうしばらく桐野夏生は読まなくてもいいかな」
      という気にさせられました。

      そういうわけで桐野夏生は私にとって、
      新作が出ると気になるけれど、
      あえて読もうとは思わない、
      でも機会があったら読んでみたい気もする、
      という作家なのです。

      そんな桐野夏生の『グロテスク』を
      先日、読破しました。

      これを読むことになったのはまったくの偶然でした。

      保育士試験の2次試験を終えた帰り、
      電車の中で読む文庫本が欲しくて、
      たまたま入った駅構内の本屋で
      積み上げられていたのがこの本だったのです。

      (ちなみに保育士試験は、1次の学科試験には通ったものの、
      2次の実技の絵画の試験が合格点に足りず、実技のみ
      また来年再挑戦することになってしまいました。)

      『グロテスク』上下巻を買い揃え、
      電車の中で読み始めた私は、
      そのあまりの面白さに、
      その夜、子どもが寝静まってから、
      明け方までかかって
      一気に読み終えてしまいました。

      久しぶりに読んだ桐野夏生は、
      私が言うのも何ですが、
      一皮むけたというか、
      作家としてさらにパワーアップしたな、
      という印象でした。

      このストーリー展開、読ませ方は素晴らしい。

      そして小説の出来自体もさることながら、
      個人的に、こんなに心を動かされた作品には
      今まで出会ったことがありませんでした。

      私の中にある、長年わだかまっていたもの・・
      もし自分が作家だったら、もっとも表現したかったもの・・
      それをこの『グロテスク』は
      見事に描ききっていたのです。

      一度読んだ作品を、すぐにもう一度読み返すということは、
      私はあまりしないのですが、
      この『グロテスク』だけは、
      再度じっくり読み直さなければならない、という思いにかられ、
      2度目は少しずつゆっくり読みました。

      この作品は、
      「東電OL殺人事件」をモチーフにしています。

      東電に勤める女性が、渋谷円山町で殺害され、
      ネパール人男性が犯人として起訴された
      あの事件です。

      斎藤美奈子が文庫版の解説で
      「他の関連書籍が描ききれなかった被害者の
      『心の闇』をこの作品が見事に描ききった」
      という趣旨のことを書いていましたが、
      確かに、この作品を読むと、
      なぜこの事件の被害者が、
      有名大学を出て大企業に勤務するキャリア女性でありながら、
      あのような事件に遭遇しなければならなかったのか、
      ということが、一つの仮説としてではありますが、
      納得できます


      世間の耳目を集めた事件だけに関連書籍も少なくなく(中略)
      が、先にあげた関連書籍も、残念ながら、
      一般には「心の闇」と呼ばれるだろう被害者の心情に
      迫りきれているとはいえません。
      逆にいえば、その空白地帯を大胆に埋める作品として、
      『グロテスク』は構想されたといってもいいでしょう。(中略)

      ここで再び、現実の事件に立ち戻ると、『グロテスク』によって、
      はじめて私は、事件の被害者が「救われた」と感じたのでした。
      いいかえると、被害者をもみくちゃにした世間への復讐が
      なされたような気がしました。(中略) (文庫版解説より引用)


      しかし、斎藤美奈子も書いているように、
      この作品の魅力は、それだけではないのです。
      実際の事件に取材しながらも、そこを大きく超えたところで
      『グロテスク』は書かれている。一個の独立したフィクションとして
      『グロテスク』は読む人を引き込むのです。(中略)

      『グロテスク』は、まかりまちがえば人を「怪物」や「化け物」
      にもしかねない社会の構造を、
      思いっきりデフォルメしたグロテスク様式で描いているのだ、
      ともいえそうです。
      毒は全部だしきってやるという決意のようなものが、
      この小説にはみなぎっています。


      まかりまちがえば人を「怪物」や「化け物」にもしかねない
      社会の構造とは何か。

      それは、斎藤美奈子の言葉を借りていえば、
      「無限にはりめぐらされた差別構造」であり、
      「競争原理に貫かれた男社会」です。

      『グロテスク』の登場人物の一人であり、
      事件の被害者をモデルにしたと思われる「和恵」は、
      「努力すれば報われる」という価値観を信じて生きています。

      その価値観は、東大出のエリートサラリーマンである父から
      植えつけられたものでした。

      父は2人娘の長女である和恵だけを溺愛し、
      娘に自分と同じ道を歩ませようとします。

      そんな父を盲目的に慕う和恵は、並々ならぬ努力の結果、
      名門のQ女子高に合格します。

      彼女の「エリート人生」はここから始まるはずでした。

      ところが、Q女子高で彼女を待ち受けていたのは、
      努力ではどうにもならないものがこの世にはある、
      という厳しい現実でした。

      Q女子高の中には、厳然たる階層社会と
      それにともなう「差別」がありました。

      そのヒエラルキーのトップに立つのは
      初等部から持ち上がってきた、本物のお嬢様たち。
      彼女たちと同類になれるのは、
      類まれなる美貌の持ち主や、天才的な頭脳の持ち主だけ。

      しかし和恵はそのことに気づかず、
      彼女たちと同類になろうとして「努力」を試み、
      そのことが同級生たちの失笑をかい、
      孤立していくのでした。

      Q女子高から名門のQ大学経済学部へすすんだ和恵は、
      父親と同じ一流企業のG建設に入社します。

      彼女が大学生のときに急死した父に代わって、
      自分が一家の大黒柱となって母や妹を養っていくのだという、
      誇りと決意を持って。

      しかし、そこで彼女を待ち受けていたのは、さらに過酷な現実でした。

      いくら彼女が努力を重ねても、
      どれだけ彼女が優秀であっても、
      「女性」である彼女が
      男性と同じ土俵で評価を受けることはなかったのです。

      恋人もなく、趣味も持たず、
      ただ仕事にだけひたすら打ち込んできた彼女は
      あるとき彼女は気づくのです。

      彼女が誇りにしている、
      「名門のQ女子高卒」であることや
      「G建設勤務」であることは、
      「女性」である彼女にとっては
      あまり意味を持たないことを。

      「男に選ばれない」自分、
      「男に望まれない」自分は、
      女としては平均以下なのだということを。

      29歳で研究機関への出向を命じられ、
      出世への道がとざされたときから、
      彼女の「転落」は始まります。

      あたしは復讐してやる。
      会社の面子をつぶし、母親の見栄を嘲笑し、
      妹の名誉を汚し、
      あたし自身を損ねてやるのだ。
      女として生まれてきた自分を。
      女としてうまく生きられないあたしを。
      あたしの頂点はQ女子高に入ったときだけだった。
      あとは凋落の一途。
      あたしは自分が身を売っていることの芯にようやく行き当たった気がして
      声を出して笑った。(『グロテスク』本文より引用)


      彼女がだんだんと「堕ちていく」さま、
      彼女の精神がだんだんと崩壊していく様子の描写は、
      圧巻です。

      『グロテスク』には、和恵以外に3人の女性が登場します。
      主たる語り手である、和恵の同級生の「わたし」。
      「わたし」の妹でたぐいまれなる美貌の持ち主「ユリコ」。
      和恵と「わたし」の同級生で、天才的な頭脳を持った「ミツル」。

      小さいころから美貌の妹と比較されて育った「わたし」は、
      和恵とは逆に、
      他を圧倒するほどの類まれなる才能(美貌や頭脳)の前では
      努力など無意味であるという、
      あきらめをもって生きています。

      一方、類まれなる美貌をもつという幸運に恵まれたはずの「ユリコ」は
      その美貌ゆえに、もっとも切望していた「母からの愛情」を
      受けることなく育ちます。

      中学生だったユリコとその姉を残し、
      自ら命を断つという方法で母がこの世から消えたとき、
      彼女は、和恵と同じ「転落」の道を歩み始めます。

      「男に必要とされること」でしか
      自分の存在意義を確認することができなかった彼女は、
      「娼婦」になるよりほか、道はなかったのでした。

      一方、Q女子高をトップの成績で卒業し東大医学部に進学したミツルは、
      大学で自分よりも優秀な人々に出会い、限界を感じます。
      「天才的な頭脳」を持ったはずのミツルは実は天才ではなく、
      「努力」の人だったのです。

      挫折を経験したミツルは、その後、思いがけない人生を
      歩むことになります。

      私がなぜこの小説に心を動かされたのか。

      それは、この小説に出てくる登場人物たちの
      心情や生き様が、
      自分個人のものと重なってみえたからに
      他なりません。

      おそらく、わたしと同様の感じ方をする人が
      同世代の女性にはたくさんいるのではないかと思います。

      と同時に、ここに描き出された世界がまったく理解できない、
      共感できない
      という人もたくさんいると思います。

      しかし、理解や共感はせずとも、
      読んだ人の魂をゆさぶる何かが、
      この作品にはあり、
      これが桐野夏生の最高傑作であることは
      間違いありません。

      この記事を読んで興味を持った方は、
      ぜひご一読下さい。

      なお、この文章は、下記のブログのエントリーに
      トラックバックさせていただきました。
      (トラックバック先は随時更新していきます)
      グロテスク/桐野夏生書庫〜30代、女の本棚〜
      『グロテスク』桐野夏生mon ami
      『グロテスク』桐野夏生( chaos
      「グロテスク」桐野夏生或る日の出来事
      桐野夏生「グロテスク」Cream Tangerine
      “グロテスク” 女が怪物になるとき 『ならうよりなれろ!!』
      『グロテスク』桐野夏生(文藝春秋)活字中毒日記!
      桐野夏生「グロテスク」エンタテイメントな毎日
      グロテスク/桐野夏生 (ひつじのお部屋。
      女の悪意 (めがねをかけて本を読む
      女の、普遍の、永遠のコンプレックスKamyunの喋り

      <本文中に出てきた桐野夏生の著作>



      ミロシリーズ















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      2020.07.05 Sunday

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        コメント
        それいゆちゃんへ

        ありがとう♪そのときはまた連絡するね。

        なるほど。確かに小説家の方が、人間観察が
        鋭かったりするかもしれないね。
        • by それいゆさんへ←フナリン
        • 2006/12/11 10:17 PM
         手紙が図書館になかったら言ってね。私は買ったから家にあるよ。

         ノンフィクションといっても、確かに主観的な書き方の物が多いね。
         小説家ってやはりいろんなキャラを書くだけあって、見方が鋭くてノンフィクション作家よりも的を射ている事もあるんじゃないかな。
        • by それいゆ
        • 2006/12/05 6:15 PM
        それいゆちゃんへ

        コメントへの返事、いれたつもりだったのに
        なぜか入ってなくて、遅くなっちゃってごめんね〜

        実は「手紙」とこれとどっちにしようか迷って
        こっち(グロテスク)にしたんだよね。
        「手紙」、図書館にあるかな?読んでみたい。

        ノンフィクションて、なんだか事実が書いてあるような
        錯覚に陥るけど、結局は書き手の主観が入ってるから、
        必ずしもそれが真実とは限らないんだよね。

        「東電OL殺人事件」(佐野眞一)と「グロテスク」
        を読み比べると面白いと思う。

        グロテスクは図書館にあるけど、「東電OL〜」
        はたぶんないから(その続編はあった)
        よかったらお貸しするよ。
        (ブックオフで100円で買った。
        グロテスクは今、ピヨ家にあるの〜)

        ぜひ読んでみて♪

        • by それいゆさんへ←フナリン
        • 2006/12/05 3:27 PM
         私も気になる作家の物はけっこう続けて何冊か読んでます。
         つい最近は東野圭吾の「手紙」を読んで、初っ端から引き込まれ、すぐ読破しました。

         事件の関連本・・・私もフナリンちゃんと同意見。
        何かしらの事件が起こると私は関連本をよく読んでどうしてこうなったのかを理解したいという思いにかられるんだけど、何となく解釈に???って事がよくあるのよね。
         それが小説で書いているものの方がフィクションであるにしても、納得がいくというか、実際はそうだったんだろうなと思わせる内容に近い事は多い気がします。

         これは私も気になる事件だったから、ぜひ読んでみようかな。
        • by それいゆ
        • 2006/11/30 10:17 PM
        ピヨピヨへ

        「幻夜」は確かに読後感が重いよね〜

        「グロテスク」は・・・・・・

        なんかピヨピヨとは無縁の世界という気がするが(笑)
        ピヨピヨの感想をぜひ聞いてみたい気もする。

        今度貸すから、ぜひ読んでみて♪
        • by ピヨピヨさんへ←フナリン
        • 2006/11/29 3:03 PM
        羊メリーさんへ

        こちらこそ、コメントありがとうございます。

        「柔らかな頬」は私もあまり好きではなかったです。
        「グロテスク」の方が、私もずっと傑作だと思います。

        羊メリーさんの「グロテスク」評は
        簡潔でとてもよかったです。

        私の方は、書評なんてそんな
        大それたものを書くつもりはなかったのですが、
        この作品に思い入れがあったので
        ついつい長文になってしまいました。

        「リアルワールド」もぜひ読んでみたいです。
        • by 羊メリーさんへ←フナリン
        • 2006/11/29 2:52 PM
        くみさんへ

        こちらこそ、コメント&トラックバック
        ありがとうございます♪

        いえいえ、そんな、書評なんて大それたものでは・・

        くみさんの記事は、途中のツッコミ(?)
        が面白かったです。

        ちなみに私は37歳です。「ババア」ですね(笑)

        >桐野氏の作品は、極端に人物を描くことによって、読み手>に「自分の中にあるもの」をかえってリアルに気がつかせる。

        なるほど!と思いました。そうかもしれません。
        「アイム ソーリー ママ」もぜひ読んでみたいと
        思います。



        • by くみさんへ←フナリン
        • 2006/11/29 2:38 PM
        ボー・BJ・ジングルズさんへ

        こちらこそ、コメントありがとうございます。

        「ハードだけど引かれる」
        その気持ち、すごくよくわかります。

        あのQ女子高の部分はほんと、すごかったですね〜(笑)

        私も女子高出身なのですが、
        ああいうのはまったくなかったな。
        やっぱ庶民だからでしょうか(笑)

        ボー・BJ・ジングルズさんの書いてらした、
        「ラストは最大限のひねり」というのに同感です。
        • by ボー・BJ・ジングルズさんへ←フナリン
        • 2006/11/29 2:26 PM
        kamyunさんへ

        こちらこそ、コメントありがとうございます。
        kamyunさんの記事、お友達の方の小学校の演劇の話等、
        いろいろ興味深かったです。

        「女の、普遍の、永遠のコンプレックス」
        という題が秀逸!まさにそのとおり。

        ほんとは私もそのことをテーマに書評を
        書きたかったのですが、
        ものすごく個人的になりそうだったので
        やめました(笑)

        「魂萌え!」(たまもえ!)、
        私もぜひ読んでみたいと思います。
        • by Kamyunさんへ←フナリン
        • 2006/11/29 2:12 PM
        ほえぇ〜〜〜・・・。
        先日、やっと「幻夜」を読み終えた私。
        結婚してからは、絵本ばっかりだったから、
        久々に読んだ〜〜〜!!!って気になったよ。
        しかし、なんというか おそろしいく重い気持ちになった。
        ・・・ってことは、甘いか?
        これは、耐えられるか?

        フナリンの文章を読んだら、なんだか本を読んだ気になったけれど、ちゃんと読んでみたいかも。
        迷惑でなければ、いつでもいいので貸してほしい!
        • by ピヨピヨ
        • 2006/11/28 10:42 PM
        TBありがとうございました。
        初めまして、羊メリーと申します。
        「柔らかな頬」は、私は個人的にはちょっとガッカリした記憶があるのですが、「グロテスク」は本当に良いです。
        フナリンさんの書評があまりにも素晴らしいのでもはや言うことはないですね。
        私もフナリンさんと同意見で、最近の桐野作品は一皮むけたな〜と思います。「リアルワールド」もすごく好きです。
        • by 羊メリー
        • 2006/11/28 9:05 PM
        当ブログへのコメントとTBをどうもありがとうございました。
        本っ当にお見事な書評です。
        もう、私の記事なんてダメダメですよ。
        桐野夏生氏の本では「アイム ソーリー ママ」もまた、とんでもなく極悪な人物が出てきます。

        桐野氏の作品は、極端に人物を描くことによって、読み手に「自分の中にあるもの」をかえってリアルに気がつかせる。
        そんな印象を受けます。
        • by くみ
        • 2006/11/28 8:02 PM
        TBありがとうございました。
        桐野さんの小説はハードなんですが、どこか引かれてしまうんですよね。
        男社会に翻弄される女性の描写はもちろん、女の園の学生生活の部分などもグロテスクで面白かったです。美醜という問題も大きなものですね。
         blogへのコメント、ありがとうございました。
        フナリンさんの感想も読ませていただきました。やはり(フナリンさんとかぶりますが)同感です。

         最近では桐野夏生さんの「魂萌え!」(たまもえ!)を読みました。こちらは夫に先立たれた50代女性が主人公です。桐野さんはこういう主婦や中高年の女性の鬱屈を描かせたら旨いですね。

         またお邪魔させていただきます。
        • by kamyun
        • 2006/11/28 4:03 AM
        JUNちゃんへ

        ありがとう。
        JUNちゃんにそう言われるとうれしいです。

        ほんとはもっともっと書きたいことがあったのだけど、
        個人的な記述になってしまうのでやめました。

        『柔らかな頬』はけっこうきついよね(笑)
        救いがないというか・・・

        JUNちゃんが『グロテスク』を読んで
        どんな感想を抱くのかすごく興味があるので(笑)
        記事アップ、楽しみにしてます♪







        • by JUNさんへ←フナリン
        • 2006/11/23 9:36 PM
        フナリンさん。
        お見事な書評です!
        今読んでいる荻原浩の『噂』を読み終えたら絶対に読みます。
        桐野夏生は『柔らかな頬』の重苦しい読後感に耐えられず、
        それ以降読んでいませんでした(笑)
        でも、読みます!今の私なら桐野夏生の世界に耐えられずはず(笑)
        • by JUN
        • 2006/11/23 8:06 PM
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        1997年、渋谷・円山町のアパートで、ある女性が遺体で発見された…いわゆる「東電OL殺人事件」と呼ばれる事件を下敷きにした桐野夏生の小説「グロテスク」。 映画『東京島』を観て、桐野夏生作品が読みたくなったので、「グロテスク」を再読しました。 本書で描か
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        • ミステリー館へようこそ
        • 2007/02/17 7:10 PM
              私の中で「読後感の悪い作家」Best3に入る桐野夏生。 いつもとても参考になる書評を書いてくださるフナリンさんが 『グロテスク』を記事に取り上げられていました。 正直、本屋に平積みされているのを見た時は「桐野夏生は満腹」だったのですが、 フ
        • Sit around the table!
        • 2006/12/01 10:39 PM
        『グロテスク(上)』 『グロテスク(下)』 「わたし」とわたしの妹、ユリコ。ユリコは悪魔的な美貌を持つ。そして2人が名門Q女子高で出会うミツルと和恵。 やがて、娼婦の殺人事件が立て続けに2件起こる。 娼婦として夜の街に立つようになっていた、ユリコと
        • chaos(カオス)
        • 2006/12/01 2:38 AM
        この小説は「週刊文春」に2001年から2002年にかけて連載されたものです。 「週刊新潮」より「週刊文春」が好きな私。 この連載、読んでました。 桐野夏生氏の小説って、男の人は読むんでしょうかね? と、ときどき思う。 登場する女の人がリアルすぎて、醜いか
        • 『ならうよりなれろ!!』
        • 2006/11/28 8:03 PM
        壮絶な、小説でした。 東電OL殺人事件をベースに書かれた話らしいですが、 私は、事件そのものを、ほとんど知りません。 家、学校、会社、社会、国という、 目に見えない巨大な制圧の中で、 グロテスクな怪物になってしまった女たちの物語。 驚くばかりの
        • *モナミ*
        • 2006/11/24 6:45 PM
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